「システム化の目標とそれを達成するために用いるITの範囲」を明確にするためには、お客様が現状行っている業務や、新しく行おうとする業務を、まずはお客様とベンダーの間で共通理解する必要があります。そのために行うのが「業務分析」という作業です。業務分析を行うための手法の多くは業務フローチャートという図式化した形でお客様に提示されます。なぜならば、目に見えない業務の姿や、お客様が意識しないで当たり前のように日常行っている作業を、お客様自身が 直観的に理解できると、同時にベンダー側も理解できるからです。(図式表現は、言語や背景となる知識が異なっていても共通言語として機能します)
そしてこの業務フローチャートで重要な事は、実際に情報がどこで生まれ、更新され、保管され、再検索され、最終的に廃棄されるかという「情報のライフサイクル」を明確にすることです。これを明確にする手掛かりになるのが、お客様が業務で現状使っている帳票(ペーパー)やエクセルシート、コンピュータシステムの画面です。目に見えない情報というものは、メディア(媒体)を通して初めて人の目に見える姿になります。業務を行うために必要な情報はその業務が実際に何年かでも行われていれば目に見える形に整理されているものです。ただそれらのメディアを見て、内容を判断するための知識だけは属人的なノウハウとなっている場合もあるので、それをチャートに起こす時にはベンダー側の分析者の業務知識や経験側などが暗黙知として必要となります。いずれにしても「情報の内容」と「情報の流れ」、「更新のタイミングや時系列」を明確にして、お客様に「この範囲を是非システム化して、こういう利便性を得たい」とチャートとメディアに実際に指をさしてもらうくらいにはっきりさせることが業務分析と目的だとキズナ・ばは考えています。