キズナ・ばはアプリケーションプラスとして個人創業した当初から、ネットワーク時代の新しいグループ関係など、人と人との関係性と、さらにはそれらをつなぐ情報技術(IT)をテーマに事業を進めてきました。これらは法人化して会社名が「ラクーン多摩」、「アプリケーションプラス」、「キズナ・ば」と変わっても、事業で中核にしてきたテーマです。
そもそも私の起業動機は、自らの持っているノウハウや知識(前職のシステムエンジニアや知的生産性研究所時代に得たもの)をインターネットという新しい情報技術(1995年当時)の上で生かしたいという想いと、インターネットが普及することで「場所」、「時間」を超えた「新しい人と人との関係性」を持った社会が到来するに違いないという「夢」の二つが組み合わさったものです。そして今日においてはこの事は当時思い描いていた以上に社会で現実化しました。
一方、私が「新しい人と人との関係性」に関心がある理由は、そこから生まれる「新しいアイデアや考え方」、「イノベーション(変革)」、「ソリューション(問題解決)手段」というものに非常に興味を持つからです。 人と人がつながり、そこに「想い」、「出会いの喜び」、「熱意」、「夢」・・というものが共有されるときに、知的生産物である問題を解決したり、未来を拓く新しい方法やアイデアが生まれます。そしてこれらは、一般に日常ではあまり出会う事のない者同士が、偶然に出会った時に生まれやすいと言われています。この無関係なものをつなげるということで起こる新しい価値の発生というものに私はわくわくします。
また人と人をつなげる事は今日の社会で起きているあらゆる問題の根底にある「個の孤立化」という問題を防止することにもなります。今日の豊かな日本社会では、お互いが助け合って生きなくても、経済的な方法で一人で生活していくことは可能です。しかし、それが行き過ぎてしまって、様々な問題をその個人にも社会にも引き起していると感じています。(ニート、孤独死、犯罪の増加、多様性の危機など・・・、そして災害時の安心安全の危機など)
望ましい人と人との関係とは、精神的にも経済的にも自立し、他から信頼される個人どうしが、一定のモラル(規範)を共有し、それをもとに助け合い、喜びや夢を共有できる関係、そしてそれらが緩やかなネットワークでつながっている社会関係ではないかと私は思います。
私が仕事とするITはそのような社会関係をサポートするものでありたい。そしてもしその社会関係がソーシャル・キャピタルという言葉で表される価値ならば、当社に出来る事はとても小さな事であっても、これをもっと社会の中に増やしていきたい。これがキズナ・ばがソーシャル・キャピタルサポートという活動を行う動機です。
キズナ・ば代表 羽田野二稔